なぜ放射線漏洩線量測定が必要なのですか?
安全で安心できる医療現場の構築のため、つまり、患者様や院内スタッフの方々を放射線の被ばくから守るためです。
また、医療法施行規則にも測定の実施が規定されています。
漏えい放射線量測定はどのようなときに行う必要がありますか?
使用を開始する前に1回、その後は6か月を超えない期間毎に行う必要があります。
※使用を開始する前の例:施設開設時、装置入れ替え・増設時、X線診療室の構造変更時等
【参考】
◆ 医療法施行規則 第三十条の二十二
病院又は診療所の管理者は、放射線障害の発生するおそれのある場所について、診療を開始する前に一回及び診療を開始した後にあっては一月を超えない期間ごとに一回(第一号に掲げる測定にあっては六月を超えない期間ごとに一回、~中略~)放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況を測定し、その結果に関する記録を五年間保存しなければならない。
エックス線室周りの安全はどのようにして保障されますか?
アルファ・コネクトでは、医療法施行規則第24条の2及び第30条の22に基づき、半年毎に測定器(サーベイメータ)を使用して管理区域(エックス線室等)からの漏洩を測定することで保障します。
測定データは弊社にて管理し測定報告書を提供させて頂きます。この報告書は、お客様にて保管して頂くことで安全確保と保健所監査の備えともなります。
放射線漏洩量測定にはどのような機器を使用しますか?
測定には電離箱式サーベイメーターを使用します。
電離箱式サーベイメーターは、方向依存性が小さいため放射線の入射方向によって感度の変化がありません。
漏洩する散乱線は、直接線よりも広い範囲のエネルギースペクトルを持っています。よって、エネルギー特性の良好な電離箱式が適しております。また、電子箱式は回路の応答時間が速いため、数値の読み取りも短時間に行えます。
X線装置の設置に関して、いつ、どこへの届出が必要ですか?
労働基準監督署:工事開始の30日前までに届出
保健所:装置設置後10日以内に届出
【参考】
◆ 労働安全衛生法 第八十八条第一項
事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の三十日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。~後略~
◆ 医療法施行規則 第二十四条の二
病院又は診療所に診療の用に供するエックス線装置(~中略~)を備えたときの法第十五条第三項の規定による届出は、十日以内に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出することによつて行うものとする。
◆ 労働安全衛生規則 第八十六条
事業者は、別表第七の上欄に掲げる機械等を設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、法第八十八条第一項の規定により、様式第二十号による届書に、当該機械等の種類に応じて同表の中欄に掲げる事項を記載した書面及び同表の下欄に掲げる図面等を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
漏洩放射線量の限度の定めはどうなっていますか?
管理区域・敷地内居住区域・敷地の境界・病室についてそれぞれ定められており、以下となっています。
■管理区域・病室:1.3mSv/3月間
■敷地内居住区域・敷地の境界:250µSv/3月間
【参考】
◆医療法施行規則 第三十条の二十六 第三項
管理区域に係る外部放射線の線量、空気中の放射性同位元素の濃度及び放射性同位元素によつて汚染される物の表面の放射性同位元素の密度は、次のとおりとする。
一 外部放射線の線量については、実効線量が三月間につき一・三ミリシーベルト
~後略~
◆医療法施行規則 第三十条の二十六 第四項
第三十条の十七に規定する線量限度は、実効線量が三月間につき二百五十マイクロシーベルトとする。
(第三十条の十七 病院又は診療所の管理者は、放射線取扱施設又はその周辺に適当なしゃへい物を設ける等の措置を講ずることにより、病院又は診療所内の人が居住する区域及び病院又は診療所の敷地の境界における線量を第三十条の二十六第四項に定める線量限度以下としなければならない。)
◆ 医療法施行規則 第三十条の十九
病院又は診療所の管理者は、しゃへい壁その他のしゃへい物を用いる等の措置を講ずることにより、病院又は診療所内の病室に入院している患者の被ばくする放射線(診療により被ばくする放射線を除く。)の実効線量が三月間につき一・三ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。
ポータブルX線装置も線量測定は必要ですか?
ポータブルX線装置も、固定式のX線装置と同様に線量測定と届出が必要です。
移動型のX線装置の場合は専用のX線診療室がないため漏洩X線量測定は行いませんが、通常、被写体周辺の線量測定(散乱線量測定)を行います。
【参考】
◆ 医政発0315第4号 病院又は診療所における診療用放射線の取扱いについて
第1 届出に関する事項
(3) 移動型又は携帯型エックス線装置(移動型透視用エックス線装置及び移動型CTエックス線装置を含む。以下同じ。)を病院又は診療所に備えたときについても、10日以内に規則第24条の2に規定に基づく届出書により届出を行うこと。この場合において、同条第4号に規定する「エックス線装置のエックス線障害の防止に関する構造設備及び予防措置の概要」として、当該エックス線装置の使用条件、保管条件等を具体的に記載する必要があること。また、移動型又は携帯型エックス線装置を、エックス線診療室内に据え置いて使用する場合は、届出に当たってその旨を記載すること。
施設の医療法人化・法人廃止や管理者変更の時に線量測定は必要ですか?
医療法施行規則の使用を開始する前に該当するため、必要です。
【参考】
◆ 医療法施行規則 第三十条の二十二
病院又は診療所の管理者は、放射線障害の発生するおそれのある場所について、診療を開始する前に一回及び診療を開始した後にあっては一月を超えない期間ごとに一回(第一号に掲げる測定にあっては六月を超えない期間ごとに一回、~中略~)放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況を測定し、その結果に関する記録を五年間保存しなければならない。
放射線漏洩線量測定の実施記録(放射線量測定報告書)の保存についての定めはありますか?
医療法施行規則で5年間の保存が定められています。
【参考】
◆ 医療法施行規則 第三十条の二十二
病院又は診療所の管理者は、放射線障害の発生するおそれのある場所について、診療を開始する前に一回及び診療を開始した後にあっては一月を超えない期間ごとに一回(第一号に掲げる測定にあっては六月を超えない期間ごとに一回、~中略~)放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況を測定し、その結果に関する記録を五年間保存しなければならない。
どのように管理をされた放射線測定器を使用していますか?
アルファ・コネクトでは、JIS規格に基づいて適正に校正された放射線測定器、または、標準線源等で定期的(最低1年間を超えない期間)にチェック又はメーカーで性能等が確認された放射線測定器を使用しています。
線量限度の基準を教えてください。
線量限度の基準は、医療法施行規則では以下のように規定されています。
1.エックス線診療室の天井、床及び周囲の画壁の外側での実効線量は1週間につき1mSv以下とすること。
2.管理区域境界における外部放射線の実効線量は3月間につき1.3mSv以下とすること。
3.施設内の病室に収容されている病室の実効線量は3月間につき1.3mSV以下とすること。
4.人が居住する区域及び敷地境界の実効線量は3月間につき250μSV以下とすること。
エックス線管からの線量にはどのような基準が設けられていますか?
医療法施行規則第三十条の一にて下記のように定められています。
エックス線管の容器及び照射筒は、利用線錐以外のエックス線量が次に掲げる自由空気中の空気カーマ率(以下「空気カーマ率」という。)になるようにしゃへいすること。
イ 定格管電圧が五十キロボルト以下の治療用エックス線装置にあっては、エックス線装置の接触可能表面から五センチメートルの距離において、一・〇ミリグレイ毎時以下
ロ 定格管電圧が五十キロボルトを超える治療用エックス線装置にあっては、エックス線管焦点から一メートルの距離において十ミリグレイ毎時以下かつエックス線装置の接触可能表面から五センチメートルの距離において三百ミリグレイ毎時以下
ハ 定格管電圧が百二十五キロボルト以下の口内法撮影用エックス線装置にあっては、エックス線管焦点から一メートルの距離において、〇・二五ミリグレイ毎時以下
ニ イからハまでに掲げるエックス線装置以外のエックス線装置にあっては、エックス線管焦点から一メートルの距離において、一・〇ミリグレイ毎時以下
ホ コンデンサ式エックス線高電圧装置にあっては、充電状態であって、照射時以外のとき、接触可能表面から五センチメートルの距離において、二十マイクログレイ毎時以下
個人被ばく線量計の準備は必要でしょうか?
電離放射線障害防止規則第八条による放射線業務従事者、医療法施工規則第三十条の十八による放射線診療従事者等の被ばく防止に個人被ばく線量計の装着が義務付けられています。
個人被ばく線量計には以下のようなものがあります。
1.ガラス線量計
2.熱ルミネッセンス線量計
3.OSL線量計
4.フィルムバッジ
5.ポケット線量計